今すぐできる!親子がハッピーになる「褒める」育て方

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【感想文・書評】賛否両論?!大人も学べる子どもへの本「メシが食える大人になる!よのなかルールブック」

親が子どもに対して本当に望むのは、「幸せな人生を歩むこと」
どの親もそれを望んでいると思います。
ただ、親も人間。子どもの心配を一生していく覚悟はありつつも、安心もほしい。
子どもが「メシが食える大人」になったら、少し安心かもしれませんね。

タイトルに堂々と「メシが食える大人になる!」と書かれたこの本は、子どもに向けた本です。
大人であれば15分ほどで読むことができるので、一度読んでみてはいかがでしょうか?
意外と自分が学べるのと同時に、子育てや子どもに望むことを今一度考えるきっかけになるかもしれません。

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今回は「メシが食える大人になる!よのなかルールブック」を紹介させていただきます。

 

著書高濱正伸さんのプロフィール

  • 1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、3浪を経て東京大学農学部に入学。1990年同大学院修士課程修了
  • 1993年に「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した、小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立
  • 現在は、算数リンピックの委員会理事も務めている
  • 親向けにおこなっている講演会は、毎回キャンセル待ちが出るほどの盛況っぷり
  • TBSの「情熱大陸」、テレビ東京の「カンブリア宮殿」などのテレビ番組にも多数出演
  • 著書の数は、保護者向け・子ども向けと多数あり、主なものは『小3までに育てたい算数脳』、『「生きる力」をはぐくむ子育て』、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』など

高濱さんは、大学院を出てから講師をしていました。教えるという仕事はとても楽しくその魅力にハマっていく一方で、日本の教育業界には疑問を膨らませていったそうです。

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「この国はメシが食えない大人を大量生産している。」
「じゃあ、自分がメシが食える大人を大量生産する!」という意識のもとに、花まる学習会を立ち上げました。

なので、数ある著書のタイトルにも「メシが食える大人になる」という表現が多用されています。

高濱さんは、過去に出演した情熱大陸の中で、

高学歴じゃないと食えないなんてちっとも思っていないし、いずれどんな道でもいいから自分で食う道を探したらほんとにオッケーなわけで。
(引用元:mbs動画イズム内記事)

と言っています。花まる学習会では「なぜ学び、何を学ぶのか」という勉強に臨む姿勢そのものから教えているそうです。

 

概要とピックアップポイント

いつもは、この辺りで本の概要をお伝えしているのですが、この本は、それを紹介するまでもなく読んでしまえます(笑)

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【重要】この眉間が可愛い過ぎる!

  • 子ども向けの本なので、イラストが多め、言葉は少ない、語り掛けるような文体
  • 表現はやや抽象的なので、子どもは何度も読み段々実践していけるようになる
  • 大人にも十分通用する内容

ということで、読むのみでしたら子どもだけでできます。実践が子どもにとっては、そして大人になっても難しいので、一緒に実践したり、親が実現に向けて頑張っている姿を見せるのもいい方法だなと思います。

付箋を貼ったポイントと、その感想

  1. 人生の主役は自分自身。人生の進路は自分で決める
  2. 変わることを恐れない&冒険する勇気をもつ
  3. すぐに「きらい」「にがて」と言って自分の世界をせばめない
  4. 見た目ではなく中身で勝負する人になる
  5. いいもにたくさんふれて「感じる心」をみがく
  6. まず努力すること。努力が結果につながり、結果が自信をうむ
  7. 努力が報われるとは限らない。それでも、努力しつづける
  8. 「わかってもらえない」とは言わない
  9. 自分のことばで話せる人

子どもが自分で人生の舵取りをして、自活できていたら(つまり、メシが食える状態にある)、親としてこんなに安心なことはありません。

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「子育てにおいて親が安心を求めるなんて」という考えもありますが、親だって人間。安心を求めて当然です。そのために何をどうするかが大切ですよね。

この本には、子どもが「幸せな人生」を歩んでいくために必要なことがたくさん書かれているのですが、2.や3.は親や大人にとっても耳に痛い内容なのではないでしょうか?かくいう私も「いたっ!いたたたた‥」という感じです(笑)

人間は、年齢を重ねるとどうしても保守的になりますし、自分が得た経験が最良だと思う傾向があります。
時代はどんどん変わるわけで、その時によって「最良」も変わってきます(そもそも最良などというものがあるかは置いておいて)。
なので、変化を恐れず冒険する勇気をまずは親自身が持ち、すぐに「苦手」「きらい」と言わずに新しいことにチャレンジする姿勢を子どもに見せていくことが、とても大切だと感じます。
それを見ている子どもは多くのことを学ぶでしょう。

親自身が人生を楽しんでいるところを見せるのが一番の教育法だと、私は常々考えているのですが、例えば嫌々仕事をしていたら、それってかなり難しいことになってしまいます。
だからこそ、まずは親が人からどう見られるかを気にするのではなく(4.)、自分自身の心が震えることに焦点をあて続ける、そういった心のトレーニングも大事だと思います。
子どもって、本来は人の目や外見なんて気にしていないですし、新しいことが大好き!
それにブレーキをかけるのは実は親や大人なのかもしれません(もちろん子を想うがゆえなのですが)。

「そんなブレーキは必要ないんだよ」ということを、親が自分の生き方を見せることで教えていってほしいですし、子どもがチャンレンジしていく対象を一緒に探してほしいなと強く思います。ぜひ色んなものを見る経験を積ませてあげてください(5.)。

好きなことや興味があるものを見つけさえすれば、子どもは勝手に努力をしてくれます
好きなことに夢中になっているだけなので、本人は努力だと思っていないでしょう。大人でも同じですよね。いわゆるフロー状態。

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そして、好きなこと、それをしている自分、それを言葉で表現することができたら、どんな時代になってもどこに行っても通用すると思います。
日本人は自己表現が不得意です。言葉にしなくても察し合うことができるのは素晴らしい文化ですが、今の子どもが活躍する時代は、異なるバックグランドを持つ人たちが当たり前に共存していきます、今よりもっと。表現力やコミュニケーション力は必要不可欠です。

成長するにつれ、好きなことに付随する「努力」が必要になってきますが、それだって本来的には楽しいことのはず。
この本の中では、努力をすることややり遂げることを少し厳しい言葉で表現していますが、世の中に出れば厳しさがあって当たり前。
その前提には親の存在があります。とはいっても、親にできることは、努力したいくらい好きなことを見つけるきっかけを提供してあげるところまでかなと思います。

背中で教えられる生き方をしていきたい

この本では、こういった項目が全部で50個出てきます。
端的な言葉で表現しているので、読み手が抱く印象も様々だと思います。
Amazonのレビューを見ていると、

  • 実は大人向けの本
  • 内容が薄い

といったものが複数ありました。両方の感想とも「確かに」と思います。
言葉自体は(悪く言えば)ありふれています。「何をいまさらそんなこと」と思っても不思議ではありません。
ですが、それらの言葉を子どもに対して提供していることと、実は大人だってできていないでしょ、というのが重要ポイントだと個人的には思います。

この本を子どもと一緒に読みながら、恐らく子どもは最初は意味が分からないと思うので、親子で一緒に実践していくのです。
そのための案内書なのではないでしょうか。

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だって、自由で幸せな人生を歩むためには、「メシが食える」は前提条件だから。

私自身、できていないことがたくさん。
でも、関わっている子ども達にはのびのび育ち自由な人生に羽ばたいていって欲しいと心から思っていますし、自分自身ももっともっと人生を楽しくしていきたいと考えています。
だから、まずは、私がこの本の中のことをやっていこう。その様子を子どもたちにも見せていこう、そう思っています。

 

まとめ

今回は、何だか説教くさい記事となりました。すみません。たぎる思いが出てきてしまってついつい。
それだけ内容が実は重いし、考えも様々に広がっていく本でした。

「メシが食える大人になる!」という表現には、賛否両論あるでしょうね。

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私自身は、この表現はアリだと思っています。
高濱さんは、別に「お金持ちになれ」と言っているわけではありません。
「自分の人生に責任を持ったうえで、自由に生きろ」と言っているのだと私は理解しています。

さかなクンのように、好きなことを突き詰めていった結果、その道の第一人者になった人もいれば、ある俳優さんのように、大好きな俳優業を続けるために飲食店の経営をしてそちらでお金をしっかり稼ぐ、という人もいます。
「食べられているかどうか」って、とても大事なこと。

親がそこを心配するのももっともだし、それが親の役割と言ってもいいと思います。
だからこそ、何でもいつでも先回りしてお膳立てするのではなく、逞しく育っていくためのお手伝いをしていただきたいです。

同じように感じていらっしゃる方は、この本を親子で一緒に読んでみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。