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【感想文・書評】子育てをしているママ・パパの辞書的な本「子育てベスト100」

子育てをしてると、困ること・悩む時がしょっちゅうありますね。
そして、コロナの影響は今後も続いていく。
そのような時に育つ我が子に、親は何をしてあげらえるのか?

2020年4月に出版された
子育てベスト100「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
この本は、現在でも多くの書店で平積みされています。

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私も、ベビーシッターの仕事をしていると、お子さんへの対応で悩むことがあります。
「こんな時はどうしたらいいだろう?」
「今の自分の対応は良くなかったような気がするけれど、何が良くなかった?」

お子さんに接する時のヒントが欲しくて、読んでみました。

 

子育てに必要なのは厳選された本当の情報

著者の加藤紀子さんは、「子育て版家庭の医学」を目指して本書を書いたそう。

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今や子育てに関する情報は星の数ほどあります。ゆえに翻弄されてしまう時もありますね。現代の忙しい親や、情報を選択するのが苦手な親に、

  • エビデンスのある情報を
  • 簡潔な言葉と整理された目次で
  • 分かりやすく伝えてくれる

そんな本です。
自分にとって必要な情報を、必要な時に見られるのはとても心強いものですね。

加藤紀子さんのプロフィール

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  • 1973年生まれ、東京大学経済学部を卒業後、KDDIにて法人営業、サービス企画に従事。
  • 夫の留学に伴い渡米。帰国後ライターとして活動。中学受験、海外大学進学、国際バカロレア、など教育分野を中心に、様々なメディアで取材・執筆を現在も続けている。
  • 一男一女の親でもある。

加藤さんは、その経験や持っている情報を元に、そして、200以上の資料や文献を読み込むという、膨大な時間と労力を重ねてこの本を執筆されたのですが、
「今は、子育てに関する情報があふれ過ぎている」と感じたのが、この本を書くきっかけの一つになった、と言っています。
それらの情報の中には、子どものためになるものもあれば、子どもに過度の負担をかけたり、子どもの気持ちをないがしろにしているものもある。
「本当に有用な情報をまとめたかった」と言う背景には、ご自身が子育てをしてきて感じたこともあるのかもしれませんね。
(ある取材の中で「子どもの将来を心配するあまり、子どもの間を無視してしまう、その落とし穴に見事に落ちてしまった経験がある」と答えています)

気になる内容は・・

目次を開いてみると、とにかく分かりやすい!

  1. コミュニケーション力をつけるには?
  2. 思考力をつけるには?
  3. 自己肯定感をつけるには?
  4. 創造力をつけるには?
  5. 学力をつけるには?
  6. 体力をつけるには?

この6個の項目に分かれていて、各項目の詳細が3~4ページずつで書かれています。

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前書きには「どこから読んでもOK」とありますが、
厳選されているだけあって、「どこも気になる、全部知りたい!」という気持ちになります。

そう、全部気になるし、全部吸収したいと思うのですが、その中でも個人的に納得感が満載、今日からシッティングでも実践していこう、と感じた項目をご紹介します。

個人的・お気に入り項目ベスト3

ベスト3 「好きなことをみつける」

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臨床心理学者のジョセフ・バーゴ博士によると、お金や名声を熱望している人よりも、純粋に好きなことに打ち込んでいる人の方が成功しやすいといいます。

「その通り、そうよね。前から感じていました」と思いつつ、
その好きなことを見つけられるかどうかは、

創造性とイノベーション教育を専門とするイギリス・ウォーリック大学のケン・ロビンソン名誉教授は、これは「機会の有無」にかかっているといいます。

との記述に、「ですよね。私は機会を提供してあげられているだろうか」とやや不安に(笑)

現代の親御様はとても忙しいので、子どもに多くの体験を積ませてあげたい気持ちはありつつ、そのための時間の確保がとても大変。
でも、ご安心ください。まずは家庭内でどうしていくかをしっかりと書いてくれています。
子どもの日々の行動の中から「好きなこと」を見つけていくそうです。

また、ちょっと意外だったのは「ひとつのことに縛られない」という部分。

国際数学オリンピックで日本人女性初の金メダルを獲得、現在は数学者でありジャズピアニストとしても活躍する中島さち子氏は、いまや「各自が自分の専門の穴をひたすら掘り下げていた時代」から「違う分野からのアプローチや他分野の専門家とのコラボレーションによって新しい知見が生み出される時代」に変わったと語ります。

こんなに多才な方に言われると思わず納得していまいますね。
複数の分野を掘り下げ横断する教育がこれからは求められますが、その土台はやはり家庭から始まるといえます。

ベスト2 「子どもの話を聞く」

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ベビーシッターの仕事をしていて、もっとも気を付けていることがこれです。(ホントは色んなことを「一番気を付けている」つもり・・)

脳機能開発が専門の東北大学、川島隆太教授が仙台に住んでいる7万人の小中高生を2010年から7年にわたり追跡調査をしたところ、「家の人にしっかり話を聞いてもらった」と答えた子は、学力が上がる傾向が見られました。

学力にも影響するのか。

傾聴は今や子育て界隈でもビジネスの世界でもよく耳にする言葉です。

その要素は

  1. 共感する(オウム返しなども使いながら)
  2. 否定しない(質問も手短に、そして、大人の意見を押しつけない)
  3. 話の内容をよく確認する(聞き流さない)

そして大切なのが、聞いてあげられる「余裕」をもつこと。
これが難しいのかな、実生活だと。(シッターでも感じるくらいなので)

心にゆとりがないと落ち着いて話を聞いてあげることができないですが、心のゆとりを持つためには訓練と時間が必要だと私は考えています。
そうすると、親(大人)の生活の仕方・生き方そのものが大切になる、というところまでいくので「ここね~~!」とグサグサきました。
そして、ベスト1に続く・・

ベスト1 「感情」をコントロールする

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知識はたくさんあるのに、感情が安定しなかったり相手の気持ちをくみとれなかったりするせいで、その能力を生かしきれない大人が増えています。

私自身にも自覚あります。

感情のコントロールはコミュニケーションに欠かせない土台であり、さまざまな人と協力し合って生きていくためにも、ぜひ身につけたいスキルです。

少子化や核家族化で、多くの人とコミュニケーションをとる機会が少ない現代では、感情のコントールも親が意識して教えていく必要があるそうです。

感情のコントロールが必要なのは、子どもだけでなく大人も同様です。
子どもが感情コントロールのスキルを身につけるためには、子どもの話をしっかり聞き受け入れることが大切。

しっかり話を聞くためには気持ちのゆとりが必要で、そのためには親自身が感情のコントロールをできるようになるのが近道。
全ては繋がっているのですね。回る回る・・。

個人的な感想

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そもそも、とっても参考になるし便利な本だと思います。
そして、読んでいくほどに「これは子育ての本であると同時に、大人育ての本なのではないか」という気持ちが強くなりました。

概要の部分でも軽く触れていますが、実は、私自身が感情のコントロールがとても苦手なのです。

  • 気持ちが高ぶると勝手に涙が出てきてしまう
  • 言いたいことがたくさんある時ほど言葉が出ない
  • 早急に白か黒かハッキリさせたくなってしまう
  • 緊張しやすい

こういったことを自分でも自覚してきたのですが、背景には私が子どもの頃の時代もあると思います。

父は昭和のバブルを経験しているサラリーマンで、子どもたちが小さい頃に家にいることはほとんどありませんでした。
たまにいても、自分の機嫌一つで子どもにすぐ大きい声をあげるタイプなので、やや繊細ちゃんの私はいつもビクビクしていました。
本当は言い返したいけど怒られるのが怖くて言えない。いつも本心を言わずにいて、親(特に父親)と安心して何でも話し合えるような関係ではありませんでした。

それが少なからず影響しているのかな、この本を読みながら気がつきました。

それ自体には、もはやいいも悪いもなくて。
きっと、昭和時代に産まれ私と同じような状況で育ち、今現役で子育てをしている方も多いでしょう。

(これは自分に対する言い聞かせ)
大事なのは、これから自分の感情とどう向き合っていくか。
そして、その姿を子どもに見せ子育てに反映させていくこと。私であればシッティングに活かしていく。

本文の中にありますが、

  • 感情にラベルをつける(どんな感情なのかを言葉にする)
  • 感情の強さを「客観視する」(俯瞰して冷静になるための時間を作る)

というのは、私自身がすぐに実行していける・していきたいことです。

また、これは「一方で」という話ですが、
子どもと接する時は、感情のコントロールをしないで思いっきり同じ土俵に立つのもあり、です。
本気で向き合ってくれる人が子どもは好き。
というのもまた事実。

大人な自分×子ども心を残した自分
のハイブリットシッターになろうと思います!

まとめ

子育てはダイエットと同じ。

ダイエット方法って、次から次へと新しいものが出てきますよね。

「痩せるには有酸素運動」⇔「有酸素運動では痩せない」
など真逆の情報も多くて、何を信じたらいいのか分からない。
子育て情報も同じような状況かなと感じる今日この頃です。

そんな時に本当に役に立つのは、
エビデンスを伴った本当の情報が、分かりやすい言葉で述べられている
そんな情報です。

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この本はそういった意味で信頼が置けるなと感じています。
迷ったりイライラした時に、繰り返し読むことになりそうです。

何ならビジネス本・コミュニケーション本としても通用しますので、
子育て中の方も、私のように子どもはいない方も、良かったら一度手に取ってみてください。