子育て中のママ・パパがつい言ってしまうNGワード5つ!なぜNGなの?
「危ないから」「忙しいから」「直してほしいから」
そんな時につい言ってしまう言葉がありませんか?
子どものことを想っている、子どものためにやっている。それなのに伝わらない、動いてくれない。
子育ては試練の連続で、親の精神がどんどん削られる、、いえ、鍛えられていきます(笑)
「本当は言わない方がいいのだろうな」と思いながらつい言ってしまって、罪悪感にさいなまれている人も多いでしょう。
子育てをしている時に「使わない方がいい言葉」はあります。
それらの言葉を知って、明日からの子育てに活かしてみてください。親も子どもも気持ちが楽になりますよ。
子育てにおけるNGワードとは?
子どもの性格は、環境に左右される部分があります。保育の世界では子どもを囲む環境を以下の3つを中心に考えています。
- 人的環境(保育者や友達など)
- 物的環境(遊具、絵本、建物など)
- 社会環境(地域社会や身近な自然など)
中でも(子どもが低年齢であればあるほど)人的環境が重要で、子どもは人から大きな影響を受けます。
それは、保育施設だけではなく家庭でも同じこと。
親が子どもにどう接しているか、どういう言葉をかけているかが、子どもの性格や考え方に大きな影響を与えます。そして、その影響は一生続くと言っても過言ではありません。
やはり、言葉は大切ですね。
子育てでのNGワード5選
①泣かないで
子どもにずっと泣かれると親の心も疲れますし、状況や場所によっては「ここでは泣かないでほしい」ということもあるでしょう。
しかし、心の発達において泣いて感情を表に出すのはとても大切なことです。
また、「泣く」という行為について、男の子と女の子だと、その後受ける対応も異なることが多く、男の子は「なんで泣くの?」や「こんなことでメソメソしない。男の子でしょ」といった言葉をかけられることがよくあります。
感情は男女関係ないのに、その扱いには男女差が生じることが多いので、特に男の子の親は注意が必要です。
大人だって、気持ちが高ぶった時にそれを正確に言葉で表現するのは難しいもの。
子どもはもっとそうなので、子どもが泣いた時は一度受け入れて共感してあげてください。
本人が言葉にできない気持ちを代弁してあげてください。
そうすることで、落ち着いて泣き止んだり、自分でも話せるようになることもよくあります。
②ダメ!無理!
ダメ
色んな場面で「ダメ」と言い続けていると、子どもの可能性を潰してしまうことにつながります。
実際に子育てをしていると、「ダメ!」や「やめて!」と言うこともあります。
ただ、シッティングで多くのご家庭に伺う中で感じるのは、「ダメ」とよく言うご家庭は、子育ての物的環境が整っていないことが多い、ということ。
キッチンや階段にガードが設置されていなかったり、子どもの手が届くところに大事なものや触ってほしくないものが置かれていたり。
まずは、家庭内の環境を整えた上で、どういった時にダメと言うのかを決めておくことが大切です。
- 子どもや周りの人が危険にさらされる時
- 友達などを傷つける言動をした時
など、内容は各家庭の方針により少しずつ違ってくるでしょう。
大事なのは、行動を「ダメ」と禁止することはあっても、人格を否定するような言い方はしない、という点です。
〇「危ないからそれはしてはダメ」
✕「そんな危ないことをするなんて、本当にあなたはダメな子ね」
そして、何がダメなのかを本人が理解できるようになるまで説明することも大切です。
無理
脳科学者の茂木健一郎さんは「人間の脳は5歳までに出来上がる」と言っていますが、つまりこの時期に子どもは好奇心をどんどん広げ、いろんなことを学習していくのです。
「まだ難しいのでは」と心配する時もあるでしょうが、子どもの「やりたい」「気になる」などの成長意欲を阻害しないようにしたいところですね。
本当にまだ難しいことや危ないことをしようとしている時には、「やりたいんだね」と一度気持ちを受け止めてから、「でもね」と理由をしっかり伝えてあげましょう。
時間にゆとりがあれば、それから親子で一緒に取り組むのもいいですね!
③ちゃんとしなさい
「ちゃんと」はとても抽象的な言葉です。実際のところ、大人でも言われたら困りますよね。
「ちゃんとして」と言われても子どもはどうすればいいのか分からない、よって動けない。
言っても動かない子どもを見て親はますますイライラする、という悪循環に陥ることもあります。
そんな負のループを避けるためにも使わない方がいい言葉です。
また、大人の「ちゃんと」と、子どもの「ちゃんと」は違うことが多いのも、悪循環が生まれる原因になります。
その子なりに一生懸命やっているけれど、そう感じてあげられない、こちらの思ったレベルではないとガッカリ・イライラする。
もしかしたら、そこには「子どもをコントロールしたい」という気持ちが隠れているかもしれません。
- 他の子や平均的な発達区分と比べて「これはできて当たり前」と考えがち
- 人目が気になる
どうして「ちゃんと」と言ってしまうのか、本当に子どものためなのか、自分の都合で言っていないか、を振り返るとともに、何かをして欲しい時には、具体的に伝えるようにしましょう。
よくシッティングをするある3歳の子は、マンションの清掃員の方や同じ保育園のお友達と会っても、なかなか「おはよう」や「行ってきます」が言えません。
そんな時、私もついつい「ちゃんと挨拶をしてください」と言ってしまいますが、「あ、言っちゃった」と思い言い直しています(笑)
「ちゃんと挨拶をして!」→「朝だからおはようって挨拶しようか」
また、お願いの形にして自分の気持ちもプラスすると、子どもの反応も変わります。
「行ってきますの挨拶をしてくれたら、お掃除のおじさんもそれを聞いてる私も嬉しい気持ちになるよ。次は言ってみようか?」
挨拶ができないと恥ずかしいと思うのは大人の私。
挨拶にどんな意味があって、挨拶をし合うとどんな気持ちになれるのか。
「ちゃんと」をもうちょっと具体的な言葉に置き換えるように心掛けてみてくださいね!
④ちょっと待って
ちょっとってどれぐらいでしょうか?
「ちょっと待ってね」「後でね」と言ったまま、待たせっぱなしで結果約束を破ってしまうことが多かったりしませんか?
これが積み重なると、子どもは親の言うことを信用しなくなります。そして、自分も(親の真似をして)約束を守らくなります。
それなのに「なんで約束をちゃんと守らないの!」などと叱られたら、子どもとしてもたまったものではありません。
- 「ねえ、ママ」などと言われたら概要を聞いて、待たせるほどでもない時は先に対応する
- 待ってもらう必要がある時は、どのぐらい待つのかを具体的に伝える(「時計の長い針が10になったらね」など)
- 伝えた時間になったら対応する。約束を守る
親や大人の「信用貯金」と増やしていけば、子どもは待ってくれるようになります。
⑤○○しないと(すると)、~~だよ!
これは、様々なシチュエーションで様々な意味合いを持たせて言ってしまいがちですが、今回紹介した中でも特に気を付けてほしいものです。
責任転嫁
「静かにしないと、店員さんに怒られるよ」
お店の中で静かにするという約束を守れなくて困るのは子ども自身です。そして、それをしっかりと注意して約束を守れるようにする責任は、親や連れてきた大人にあります。それを他人の責任にしてはいけませんね。
ダブルバインド
ダブルバインドとは「二重拘束」のことで、2つの矛盾したメッセージを相手に命令することで相手を混乱させる、ストレスを与えるコミュニケーションです。
これは、子どもの心に傷を残すことにもつながります。
例えば、公園で遊んでいて「そろそろ帰るよ」と言っても子どもが帰ろうとしない時。
「帰らないなら、勝手にして。」
と言ったりしませんか?
そう言われた子は、大抵慌てて帰っていくのですが、仮に言われた通り勝手に遊び続けたら、親はもっと怒って無理にでも連れて帰ることになるでしょう。
勝手にしてと言われたからそうしたのに。
こういったことが続くと、子どもは自分で選択する経験の少なさや、選択したことを否定される経験から、自信がつきにくくなります。頭の中が常に混乱状態になるのです。
「○○しないと(すると)、~~だよ」という言葉をかけ続けていると、子どもも学習して真似するようになるので、要注意です。
自分の子どもが、友達に「私の言うことを聞かないと、一緒に遊んであげないよ」などと言うようになったらショックですよね。そういったコミュニケーションは親子間でもしないに越したことはありません。
まとめ
子育てのNGワードを5個ご紹介しましたが、共通しているのは「子どもを大人の都合や感情でコントロールしようとしている」、そして「子どもの性格や可能性を否定することにつながる」という点です。
子どもは1人の人間。あなたの子どもではあっても、あなたのものではありません。
コントロールしようとするのは、「子どものため」と言いながら、本当は自分のためであることが多いです。
- 泣かれると自分が人からどう思われるか心配で困る。だから「泣かないで」と言う
- 子どもにやらせるよりも自分でした方が早くて上手なので、「まだ無理」と言う
- 自分にも子どもにも厳しくて、何かとイライラしてしまう。だから「ちゃんとして」と言ってしまう
- 今自分がしていることを中断したくないから、「ちょっと待って」と言う
- 子どもが公園から帰らないと食事や就寝も遅くなって自分の時間が減る。それにイライラして、「勝手にしなさい」と言ってしまう
日常の生活は時間に制約がありますし、親にも都合や感情があります。むしろ感情を押し殺してはいけません!
言わないようにしていても、言っちゃう時だってあります。
「言ってしまったな」と認識するところから始めればいいのです。そして、同じことを伝えるにもどう言葉を変えればいいかを少しずつ実践していけばいいのです。
最初はなかなか伝わらないかもしれませんが、積み重ねで確実に変化は出てきますよ!
ポイントは・・
- 一度は子どもの気持ちを受け入れ共感する
- 具体的に説明をする
- 親の気持ちも素直に伝える(アイメッセージ)
NGワードを使うよりも時間と根気は必要ですが、実践していけば自然とできるようになりますし、その結果子どもの自己肯定感が上がり自分のことを自分で決め行動ができるようになるので、子育て自体がラクになっていきます。
忙しい現代の親こそ、このNGワードを頭の片隅に置いてみてくださいね。
今日も明日も、あなたの子育てを応援しています!